教室員の風景

2021年12月

「米とコーヒー」

生殖医療を主に担当しております花田です。
街はすっかりクリスマス仕様で、早くも2022年の背中が見えてきました。やや引きこもった生活が始まってからもう2年経ちますが、この間にふたつほど出来るようになったことがあります。
ひとつは、上手にお米を炊けるようになったこと。実は今年の初め、滋賀県医師会から寄稿依頼があった際にこのことについて書きました。その時の作文が誰に評価されたのかは分かりませんが、(たぶん)滋賀代表として全国大会に行きました。小学校の読書感想文なども含め、これまでの人生で一度も作文を評価されたことが無かったので、40歳手前で全国デビューできるとは自分でも驚きでした。ご興味のある方は、「花田 米 日医」でご検索ください。
もうひとつは、自己満足ながら上手にコーヒーを淹れられるようになったこと。もともとコーヒーは好きで自宅でもよく飲んでいました。とは言ってもカフェイン摂取のみの目的でずっとインスタントコーヒーを愛飲していたのですが、たまたま豆を挽いたものを頂く機会があり淹れて飲んだところ、その味の違いに感動し、以後自分でも買って淹れるようになりました。今では豆がどこ産だ、炒りの深さがどうのこうの、挽き方の程度がなんだ、蒸らしがどうだ、ペーパーがー、フレンチプレスがー、などと自分でも正直ちょっとこいつかなり面倒だなと思うくらいはまっております。
しかしコーヒーというのは不思議なもので、同じ豆を使っていてもお湯の温度や注ぎ方でかなり味に変化が出るので、自分で好みの味の調整も出来たりしてとても楽しいのです。情報はYouTubeなどから仕入れることが多いのですが、ある日たまたま本屋に行った際にブルーバックスのコーナーで「コーヒーの科学」なる本を発見しパラパラとめくっていました。そうしたらこの本が大当たりで、とにかく内容がマニアックで論文も多数引用されていて本当に科学的、本当に面白い。そこで誰が書いておられるのかな、と思い帯を見ると、
「ひぃっ」
と思わず声が出てしまいました。なんと、作者は、本学の基礎部門の先生だったのです。とんでもないコーヒーモンスターがこんな近くにいたとは…。即購入しました。自宅でも読み漁りマーカー引きまくりましたが、調べないと分からないような内容も多く、化学の勉強にもなりました。
数日後たまたま講内で件の先生とすれ違うことがあったのですが、急に声をかけて気持ち悪がられるのもどうかと思い自制するも、謎の会釈+笑顔をお届けしてしまいました。以後お目にかかることはまだないのですが、いつかサインを頂けるようにずっと白衣のポッケに本を忍ばせています。
というわけで、2年でふたつできることが増えたので、来年ももうひとつできることが増えるといいなと思います。それか、もうこれ以上できることは増えなくても良いので、コロナが終息してくれても良いなと思います。