田中佑治です。
このたび、第13回日本婦人科ロボット手術学会(2025年6月14日~15日、米子コンベンションセンター[主幹:鳥取大学])において、「3D画像解析システムを活用したRobot支援腹腔鏡下センチネルリンパ節生検」の取り組みで、光栄にも井坂賞をいただきました。今回の取り組みでは、3D画像解析システムを活用することで、センチネルリンパ節の高精度な同定が可能となる実用性、さらに本手法が汎用性や経済性に優れることまで示すことができました。現在、私たちのチームは、3D画像解析システムのMixed Realityへの応用、ロボットの機種を超えた活用、さらに非悪性腫瘍手術への応用など、その発展性についても報告を重ねており、今後も成果を積極的に共有してまいります。
この受賞は、当然私ひとりの成果ではなく、婦人科チーム全体、特に天野病棟医長、米岡副病棟医長、高橋講師をはじめとする仲間とともに積み重ねてきた努力の賜物です。日頃から共に力を尽くしてくれている皆さんに、心から感謝しています。
また、センチネルリンパ節生検の導入にあたり、鹿児島大学の小林教授、戸上先生には技術面・理論面で多くの貴重なご指導をいただき、この場をお借りして深く感謝申し上げます。さらに、日本婦人科ロボット手術学会は2026年に日本産科婦人科内視鏡学会と合併予定であり、今回が最後の開催となりましたが、素晴らしい学会を主催いただいた鳥取大学の先生方にも改めて感謝申し上げます。
当科では今後も、センチネルリンパ節ナビゲーション手術の持つ価値――がん治療において必要性の低いリンパ節郭清を省くことで患者さんの負担を軽減し、同時にリンパ転移が確認された場合には十分にリンパ節郭清を行うことで治療効果を最大限に高める――その特長をさらに引き出していきたいと考えています。術後の生活の質を守りつつ、確実で合理的ながん治療を実現するため、この手術の発展と普及に、これからも全力で取り組んでまいります。

