教室員の風景

2011年8月

自治医科大学を卒業し,今年4月から滋賀医科大学産科学婦人科学講座の医員となりました,所 伸介です。貴い生命の誕生に立ち会う機会に恵まれた診療科で働かせていただけることに日々感謝しつつ,諸先輩方に助けられながら精一杯業務に励んでおります。
 まずは簡単な自己紹介です。生まれは兵庫県西宮市で,小中高時代を滋賀県大津市で過ごし,その後は京都→長崎→栃木とそれなりに転々と過ごしてきました。ひょんなことから(?)滋賀に戻って来ましたが,かつての通学路であった石山寺近辺をぶらぶらするにつけ,湖と山々に囲まれた景勝地に「やっぱりええとこやなぁ」と嘆息する日々です。
 さて,いきなりですが私の趣味と言えば,まずは水泳で健康作りに勤しむことです。ふっくらした今の私からは想像できないと良く言われますが,少年時代の私は喘息持ちでそれはそれは病弱な子供でした。そんなわけで小学生の頃から親に無理矢理スイミングスクールに通わされ,10年以上続ける羽目になったわけです。現在も土曜の夜には近くのスイ
ミングスクールに顔を出しバシャバシャと泳いでおります。この頃は練習コースは辛くなり,泳ぐ時間よりも隣のジャグジー風呂やサウナに入り浸っている時間の方が長くなってしまいましたが・・・。
 実は小説を良く読みます。一日30分は必ず小説を読んでから眠りに就く習慣は今でも続けており,最近ほぼ全作品を読破した作家としては,奥田英朗(精神科医の伊良部Drシリーズで有名になりました),花村萬月(ちょっと暴力描写がきついですが,登場人物が非常に魅力的),重松清(自分に子供が生まれてから彼の家族観に引き込まれました),篠田節子,桐野夏生(異性とは思えない感性です)などがあります。どれも本当にお薦め本ばかりで,たまに患者さんが読んでおられるのを見つけると,嬉しくなって思わず筋書きを言ってしまいそうになります。
 それからこれは漫画なので読書とはいえませんが,実は「ゴルゴ13」の大ファンでもあります。年に4回発行される「ゴルゴ13シリーズ」が愛読書で,院内の売店ではコンビニよりもいち早く納入されるため,売店の方に「ここで漫画を買う先生も珍しいねー」と言われながらもついつい購入してしまいます。この漫画の魅力はゴルゴ13のキャラクター作りに尽きます。言葉少なに,そして臆病なまでに用心深く確実に仕事を遂行し,決して依頼人の信頼を裏切らない彼の姿に思わず唸ってしまう諸兄は少なくないでしょう。(彼の欠点と言えば煙草をポイ捨てすることくらいです)たかが漫画とはいえ,なかなかどうして彼の仕事ぶりには学ぶべきところがいろいろあるような気がしています。というわけで,次回発売日(9月13日)を楽しみにしつつ,少しでも真のプロフェッショナルに近付けるよう明日からの病棟業務に精進しようと決意を新たにしながら今日もまた小説を読みなが
ら床に入るのでした・・・・。