教室員の風景

2012年7月

医局長の木村です。今回は、滋賀医科大学産科学婦人科学講座で働いている医師の仕事内容についてお話します。このことを理解するために講座という意味と診療体系について説明しなければならないと思います。
産科学婦人科学講座というのは、滋賀医科大学医学部のひとつの講座の名前です。大学には、学部、その下に学科、さらにその下に講座(研究室)という具合に分かれているところが多いと思います。○○大学文学部外国語学科フランス語講座などのように分かれていますが、同じように我々の教室も正式には滋賀医科大学医学部医学科産科学婦人科学講座となります。医学部では講座に属する医師のことを医局員と呼びますが、医局員は医師であり大学の教官ということになります。よって医局員は患者さんを診療する以外に学生の教育や研究も行っています。一人の立派な医師を育てるためにはこれらの仕事も非常に重要だと考えています。患者さんの立場からしても診療してもらう医師が、しっかりとトレーニングされた医師の方がよいことは間違いありません。
前回の医局員の風景でも述べましたが、滋賀医大産婦人科の診療内容は、細分化すると主に5部門に分かれていますが、診療単位としては母子診療科と女性診療科に分かれて診療しています。母子診療科は産科であり、女性診療科は婦人科のことだと理解していただいたらよいと思います。以前、われわれは産婦人科として、すなわち一つの診療科として診療していましたが、この診療科を二つの科に分けたのは診療体系を二つにわけることにより専門性と安全性を高めようと考えたためです。滋賀医大のスタッフは全員が産婦人科専門医であり、産科と婦人科の両方の診療を行うことができますが、個々の専門性を高めることによりその分野の日本のトップレベルの診療を行うことを目指しています。また、二つの診療科それぞれに診療科長、副診療科長、病棟医長を置くことによって、注意深く細やかな医療を提供して、患者さんへの診療の安全性を高めようと考えているのです。