教室員の風景

2012年10月

医局長の木村です。今回は、滋賀医大産婦人科の生殖内分泌グループを紹介します。今までの教室員の風景でも紹介してきましたが、生殖内分泌の診療は妊娠分娩管理の産科、子宮がんなどの婦人科腫瘍学と並ぶ大きな診療内容の一つです。対象となるのは不妊症、不育症、内分泌(ホルモン)疾患、子宮筋腫や子宮内膜症のホルモン関連疾患などと幅広く、また行う治療内容も、ホルモン療法、排卵誘発、人工授精、体外受精、内視鏡下手術(腹腔鏡、子宮鏡、卵管鏡)、妊孕能温存〜改善手術など多岐にわたります。このように例を挙げるとその内容が豊富であることに驚かれる方もいらっしゃると思います。
また、その重要性が年々増していることがご理解いただけると思います。
この分野の特徴は、産婦人科領域の中でも最も進歩が速いことです。産科学、腫瘍学においても新しい診断方法、治療方法が開発されていることは間違いありませんが、体外受精や内視鏡下手術の進歩のスピードは驚くべきものがあります。これは10年前と現在の診療内容を比較すると顕著であります。10年ひと昔という言葉がありますが、この分野では1年ひと昔という言葉が当てはまるようにさえ感じます。このようなことから生殖内分泌に取り組む医師は、世界中で開発された新しい治療方法などの知識の習得と医療技術のスキルアップに努める必要があります。
現在、多くの大学病院が産婦人科医不足のため生殖内分泌の分野から撤退している中、滋賀医科大学産婦人科はチームを組んで日々新しい知識の習得、医療技術のスキルアップに努め、診療を行っています。