教室員の風景

2014年6月

-日頃感じること-
喜多 伸幸
教室員の風景も、ついに第2周期に入りました。再度、文章を綴らせて頂きます。産婦人科診療に身を投じて、早28年目を迎えました。高血圧や進行性の老眼、部分入れ歯等のminor troubleには見舞われてはおりますが、外科的治療を要するようないわゆる大病を経験することもなく、一重にこのような体を授けて頂いた両親には深謝致します。年齢的に50歳を超えると、正直言って産科の当直は肉体的疲労を強いられますが、若くて元気な産婦人科専攻医達と日々接していると、まだまだ体力的には問題ないぞ!?と負けず嫌いな、そしてサディスティックな性分が体の芯から突き上げてきて、体の悲鳴とは裏腹に突っ走ってしまいます。でも、そろそろ身体を労り、自重するのも懸命な判断かも知れません。
このような生活の中、日頃良く感じるようになったことがあります。やはり、加齢がそうさせるのでしょうか?それは、人には大別して4つのタイプがあるのでは、ということです。ただし、これはあくまで主観的な概念に過ぎず、定義も基準も全く存在しません。また、集団の大きさによっては明瞭に区別されるものでもなく、さらに病的な状態を指すものでは決してありません。すなわち、1,人の上に立ち指導的能力を発揮するタイプ、2,人と常に並列的な関係を維持することで能力を発揮するタイプ、3,人の下で職責をきっちりと果たすことが得意なタイプ、そして4,人と関わることに抵抗を感じあまり交誼を好まないが個人的能力に秀でているタイプ。いずれもタイプにも強弱はあると思いますが、1は企業の社長や、政治家、我々の業界では院長などいわゆるトップと称される人たちです。2にはおそらく多くの人が属するのではないでしょうか?常にチームの一員として人と人との繋がりを重視し、仕事をはじめ様々な社会的基盤を形成していく人たち。3には官吏と称されるような人たち。4はやや特異的な存在ですが、BLACK JACKのような人たちが該当するのでしょうか?いずれのタイプも、集団を維持する上では必要不可欠な存在であることは言うまでもないことであります。このような人たちの存在が、まさしく社会そのものを構築しているわけです。ただし、4を除いては人との関わりを無視することは決して出来ないわけであり、見下すような横柄な態度や、過度の慇懃な態度は禁物です。自分がどのタイプに属するのかを冷静に分析することも、自身の招来像を思い描く上で、ある意味興味深いことではないでしょうか?ちなみに私は2のタイプではないかと自己分析しております。ご批判は甘んじてお受け致します。