教室員の風景

2014年9月

「乳腺医学会」

朝夕涼しくなり、少し過ごしやすい季節になって参りました。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
こんにちは。産婦人科専攻医の大熊優子と申します。今月は、村上教授が滋賀医科大学の臨床講義棟を使って8月24日に開催しました第8回近畿産婦人科乳腺医学会の様子についてお伝え致します。
実は、本来乳腺の疾患は産婦人科ではなく外科の領域に入ります。しかしながら、産婦人科の診療領域が産科、婦人科、生殖内分泌、女性のヘルスケアの4つに大別される中、乳腺疾患を「女性のヘルスケア」領域に含まれる分野と捉え、産婦人科医の立場から乳腺疾患を管理するための教育・研修を行う場が乳腺医学会です。今回は、「乳癌検診三種の神器:触診・マンモ・超音波をマスターする」をテーマとして、4人の先生方にご講演頂きました。

視触診に関する特別講演では、当医局員である北澤医師(男性)が触診モデルとして参加させて頂きました。癌に見立てた塊を仕込んだ触診シミュレーターを胸に下げ、自己触診の方法を演者の先生に直接ご指導頂き、その様子が会場モニターにアップで映されました。はじめは照れた顔をしていた彼でしたが、「くまなく均一に」「塊を探すように」等のアドバイスを受け、徐々に真剣な目つきに変わり、心は本物の女性として自己触診を実演してくれました。そして最後には、健診に来た女性役として村上教授の触診を受け、癌に模した塊を見つけてもらっていました。ともあれ、「自己触診の指導は難しい」という思いが会場の皆から一掃されたのは、演者の先生の分かりやすいご指導と、北澤先生の演技力のおかげと言えます。

さて、写真は、第2講義室に設営した置物型触診シミュレーターの準備をしている喜多准教授です。他にも第1講義室にマンモグラフィー用のシャーカッセンを並べたり、講演会場(第3講義室)の整備をしたり、自ら先頭を切って準備に取り組んでおられました。私たちの教室はこうやって支えられているのだな、と感謝の気持ちがあふれた瞬間でした。DIC治療の機序について専攻医には難しすぎる内容を英語で教えてくれたり、某アニメの名言を伝授してくれたり、深夜の当直で疲れ切って一緒に放心したり、忙しい中でも医局員を気にかけてくれる気さくな先生です。働き過ぎと言っても過言でない様子をみて、先生の血圧がこれ以上上昇しないことを願うばかりです。

そんな准教授の影の努力のおかげもあり、今回の乳腺医学会は無事に終えることができました。大学にいると、こういう勉強の機会に恵まれていて知識が増えていき、日々成長できていると感じます。