教室員の風景

2017年3月

さようなら東京、ただいま滋賀

平成22年卒の鈴木幸之助と申します。村上節教授の御高配を賜り、東京の日本赤十字社医療センターにて産婦人科研修に励んでおります。

当センターは総合周産期センターであり、分娩は年間3000件を超え、母体搬送は年間180件を扱います。また、超緊急母体搬送システム(通称スーパー母体搬送、生命の危機にある母体が確実に高次医療機関に受け入れられるよう東京都が構築した母体搬送システム)の指定3病院の一つとして、東京都の周産期医療を担っております。日赤医療センターの一般病床数は708床とさほど大きな病院ではないのですが、もともと日赤病院と日赤産院とが合併してできたという経緯があり、病院の規模に比べ周産期部門が大きく、産婦人科医は後期研修医まで含めれば25人、産前病棟33床、産後病棟52床、分娩室8床、MFICU6床、NICU15床を有します。胎内治療などの特殊治療は行っておりませんが、合併症妊娠の管理は多岐にわたり、多くの実りある研修が行える環境となっております。

写真は分娩室の風景です。水中分娩は2部屋で可能であり、夫婦二人で入浴も可能です(夫婦二人で入っている姿はほとんど見かけることはありませんが)。

東京に来てあっという間に2年間が経過しました。病院は渋谷区広尾という閑静な高級住宅街にあり落ち着いた雰囲気なのですが、自転車で1分走れば西麻布の飲み屋街、5分走れば渋谷の繁華街と遊ぶ場所にも事欠きません(遊ばず仕事に没頭していましたが)。滋賀医大から研修で東京にいらっしゃる先生も多く、何かと心強く感じています(1学年後輩の米岡先生は一切連絡をくれませんが)。場所柄、English onlyの患者さんもちらほらといらっしゃり、英語には不自由しかない私を楽しませてくれます。

さて、この四月から四年ぶりに大学へ戻ることとなりました。
至らぬ部分が身に沁み、さらに精進せねばと反省はするもののついつい怠けてしまった二年間ですが、多くの症例を経験できたことで、母体管理、分娩管理においてなんとなく理解できたかと感じるところもあり、そのなんとなくをなんとか言語化できるよう大学で励む所存です。