教室員の風景

2018年4月

「スウェーデン生活③」

先月に引き続き辻です。今回はそのうち日本にもくるであろうキャッシュレス社会について書きたいと思います。現在スウェーデンでは流通通貨の98%が電子決済です。こちらで現金を使うことはまずありません。逆にいくら現金を持っていても、電車、バスに乗ることができません(切符もありません)。関西でいうICOCAみたいなカードを使います(モバイル決済だけでも乗車できます)。スーパー、レストランでの会計も当然カード(主にデビットカード)支払いです。お釣りをもらう必要もなければ、用意する必要もありません。これはお店が現金を扱うことに関するコストが不要であり、さらに安全であることを意味します。現金を狙った武装強盗もありません。銀行ですら現金を扱わない店舗がほとんどです。2012年にそれを知らない強盗が銀行を襲い何も取ることができなかった事件はそれを象徴しています。

では割り勘はどうするのでしょうか。ちゃんとSwishというアプリがあります。それを使えば個人間でのお金のやりとりを簡単にすることができます。Swishはスウェーデンにある銀行が共同開発したアプリで、各個人間の口座をBank-IDで携帯電話の番号と紐づけしているシステムです。それを使えば個人間でのお金のやりとりも即時可能です。そんなわけですから、財布を持つ必要がないのです。スマホケースにクレジットカードとIDカードがあれば十分です。

さて、今回の写真は地下鉄の構内です。ストックホルム市内のほとんどの地下鉄構内は芸術家達によってアート作品に変えられています。「世界一長い美術館」と称する人もいるようです。スウェーデンに来られる際にはタクシーなどで移動せずに、券売機のない地下鉄に乗りアートを感じてみてはいかがでしょうか。