教室員の風景

2018年8月

「不思議に思うこと」

今年4月より専攻医としてお世話になっております岡田奈津実と申します。親切丁寧に指導して下さる上級医の先生、頼りになる同期、助産師さん・看護師さんのおかげでとても充実した毎日を送っています。無事に出産され笑顔で退院される妊婦さんや、術後元気に回復される婦人科の患者さんを見ていると、やっぱり産婦人科を選んで良かったなと感じています。

私生活では1歳1ヵ月になる娘が一人います。私の帰りが遅くなろうとも当直で帰れなくとも、周りのサポートのおかげですくすくと元気に成長しています。毎日毎日、新しい喃語を話し、寝返りからずり這いやお座りが出来るようになり、ブドウやサツマイモを指で摘まんで食べている様子を見ていると、人の成長って凄いなぁと感じると同時に、何を教えた訳でもないのにどうして出来るのだろうととても不思議に思います。でもよく思い返してみると、寝返りがうまく出来ず癇癪を起して泣いていた時期があった様に思います。ある瞬間にふと出来るようになってその感覚を取得したのでしょうか。また、保育園で少し年上のお兄さん・お姉さんのやり方を真似して出来るようになったのかもしれません。そんな彼女を見ていると、なかなか成長しない自分や、「前、見たことはあるけど出来ません」という自分に、「産婦人科として赤ちゃんの今の時期は、一番成長する時期なのにこれでよいのだろうか…」と落ち込む時もあるのですが、娘の成長に負けない様にまた、娘の成長に励まされながら頑張っていこうと思います。

また、もう一つ、良く思い出すことがあります。娘を出産した病院でIVF-ETで妊娠後、出産されたお母さんが、3000gを超える赤ちゃんを抱きながら「卵だったのにこんなに大きくなった…」と言ったことです。そのお母さんは、単純に「あの小さな卵が…」という大きさだけのことを言ったのかもしれませんが、私は、一つの球体が、左右対称に手や足、顔になることだけでも驚くのに、臓器などは左右非対称に配置され、かつそれぞれが機能するように神経や血管が出来、かつ人間においては、手足を器用に使い、考えたりコミュニケーションを取るようになることが不思議でなりません。こんな神秘と隣合わせである産婦人科の医師として働くことが出来ることに誇りを持ってこれからも頑張っていきますので、今後とも宜しくお願い致します。

写真は、今年3月、初めての家族旅行(長崎のハウステンボス)のものです。