教室員の風景

2019年10月

『ある日の当直』

こんにちは。医師8年目の中村と申します。

関連病院での勤務を経て、昨年大学に戻ってまいりました。今年度から大学院にも入学し、臨床に研究に充実した日々を過ごさせていただいております。
前回大学病院にいたころは、専攻医として病棟業務に従事し、忙しかった思い出はあるものの、産婦人科医としての基礎を教えていただいた大切な時期でした。今の私があるのは、間違いなくあの専攻医時代のおかげです。
あの頃と今との生活の違いの一つは、関連病院やクリニックの当直に行かせていただくようになったことです。専攻医のころは、上級医が大学病院以外の当直に行かれるのを「大変そうだな」と見送りながらも、なぜか少しだけいそいそと出かけていく先生もおられるような気がして不思議に思っていました。産婦人科医を志す研修医や学生さんの中には、当直回数が多いことを心配する方もおられるそうです。それはおそらく、昔の私と同じように、当直といえば救急部の当直か、夜間でも救急搬送や緊急手術が何件もあるような大学病院の産婦人科当直が基準になっているからだと思います。
上の写真は、最近の関連病院当直中の晩ごはんです。野菜不足を解消したくて、外食やコンビニ弁当ではなく当直室で作りました。白菜が縮んだため、しめじの存在感が大きすぎるお鍋になってしまいましたが、秋を感じながら食べきりました。
携帯電話を片手にジムで身体を鍛える先生や、お子さんとともに当直先に行き、近くの有名な公園に行くという先生もおられるそうです。
ほかには、各病院の看護師さんが、地元の有名なお店を教えてくれたりもします。最近はおいしいマカロンのお店に行きました。
当直先が落ち着いているときの過ごし方で最も有意義なのは、学会発表の準備をしたり、論文を読んだり書いたりすることです。家に帰るとついついくつろいでしまって、テレビを観てお風呂に入って寝るだけになってしまうので、いつもと違った環境で机に向かうと気分転換になって意外とはかどることも多いです。受験勉強で図書館や自習室に行くようなものだと思います。
最後に、先輩の先生方、ちゃんとお仕事もしておりますので、ご安心ください。未来の産婦人科医が、希望をもって目指してくれるといいなと思います。