2026年11月

母子診療科の稲富絢子です。
このたび、第62回日本周産期・新生児医学会学術集会において、優秀演題賞を受賞しました。
演題名は「胎児発育不全における羊水過少の新規機序―胎仔腎構造異常に着目したモルモットモデルによる解析―」です。
今回の研究では、モルモット胎児発育不全モデルを用いて、羊水過少が生じる機序について検討しました。動物実験に約2半年、論文化に約1年を要した研究です。
研究のきっかけは、2017年頃、大阪母子医療センターに国内留学していたときに抱いた疑問でした。
胎児発育不全では羊水過少をしばしば経験しますが、その機序については十分に解明されていません。当時、胎盤を介して胎児に水分が供給されているにもかかわらず、なぜ羊水が著しく減少するのかが疑問でした。
実験がなかなか進まない時もあり、論文の執筆にも苦労しましたが、研究の着想から実験計画、データ解析、論文化まで、かなりの部分を自分自身で進めることができました。大変なことも多かったですが、自分自身の成長も感じることができました。
長年疑問に思っていたことを、自分で研究として形にし、その成果を優秀演題賞として評価していただけたことを、とても嬉しく思います。
胎児医療の分野では、日常診療で当たり前のように目にしている事象でも、その病態や発症機序が十分に解明されていないことが少なくありません。
今後も、日々の臨床で感じる疑問を大切にしながら、研究に取り組んでいきたいと思います。
論文はこちら


