教室員の風景

2010年9月

滋賀医科大学産科学婦人科学講座の中川哲也です。
皆さんは「手のりにする」というフレーズを耳にした事があるでしょうか。実家で手のり文鳥を飼っていた事がありますがこの類いの鳥を飼うと「手のりにするには小さいうちに親から離して…」などという会話が必ず出てきます。セキセイインコや文鳥が好きな人にとって「手のりにする」ことは1つのステータスのようですが、実際どうすんの?
我が家に長女の誕生日プレゼントとしてメスの手のりセキセイインコ、コロンちゃんがやってきたのは昨年5月のことです。そのうち1匹では寂しいからとオスのペコちゃんも飼うことになりました。(この頃はコロンちゃんを飼うことに奥さんと義母が結託した大いなる野望が秘められていたとは知る由もありませんでしたが。)さて最初はぎくしゃくしていたコロンちゃんとペコちゃんですが次第に仲良くなり、結構いちゃいちゃしています。すると「こどもが欲しいから巣箱入れよう。」そんなもん?と思う僕を尻目に巣箱をみて興奮したペコちゃんはいきなりコロンちゃんに襲いかかり…。
コロンちゃんの姿をあまり見かけなくなりました。ペコちゃんの豹変振りがよほどショックだったようです。ただ時々巣箱から出てきてはえさを食べてまた巣箱に戻っていきます。ん?もしかして…。残念ながら孵りませんでしたが巣箱には6つの白い卵が並んでいました。いつまでも暖めてしまうので巣箱から卵を取り出すとコロンちゃんは巣箱に入らなくなり、そこにペコちゃんが寄り添いいちゃいちゃしていたかと思うと、ま、またですか。子供たちは「ペコちゃんがコロンちゃんに乗ってる~。」健気だねぇ。
コロンちゃんを見かけなくなりました。また卵を産んで暖めているようです。家でインコの雛が孵る訳がないと思っていつつあまり気にも留めていなかったある日、巣箱から小さな鳴き声が聞こえます。まさかと思って耳を近づけると確かにピーピーと声がします。しかし奥さん曰く「ここで巣箱の中をのぞくと育てなくなってしまう」そうで、彼女は過去にそういう経験をしたようです。文献によって2~4週間と幅はありましたがそのくらい待つ必要があるとのこと。うちでは声を聞いて3週間ほどたってから巣箱を開けてみると2つの卵とともに2羽の雛が小さく寄り添っておりました。水色のコロンちゃんと白のペコちゃんとの雛なので2羽とも淡い水色です。嫌がるコロンちゃんに悪いと思いつつ2羽を箱にいれて長女のピンボケ写真撮影。そう、「手のりにする」時によく聞かれる「小さいうちに親から離す」とはこういう事だったのです。要はインプリンティングですが、こうして我が家にも人から喜んでえさをもらう2羽のセキセイインコの雛が誕生しました。
『ピッチ』と『こまち』と名付けられた2羽のセキセイインコはすっかり大きくなり、今やどっちがピッチでこまちだかわかりません。区別はつきませんがうちで生まれた2羽のセキセイインコがいるという事は不思議な感じです。うちの奥さんも雛が育ったのは初めてだったらしく、念願の「手のりにする」ことができると大喜びでした。そうして今、指を差し出すと…来ません。2羽とも逃げていきます。そう、「手のりにできなかった」のです。うちにいる4羽のインコで指を出すとじゃれついてくるのは生粋の手のりであるコロンちゃんだけです。奥さんと義母は2羽の雛をいっしょにしていたのがまずかったのではないかと分析しています。「また今度ね。巣箱入れればいいんだし。」いったい何羽になるのでしょうか?
そういえば3人の子供に恵まれた我が家の寝室にも木のおうちが・・・。